ボスニア訪問参加者のレポート 

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    今回の訪問で参加したメンバーのレポートを紹介します。



        今回、初めてクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナを考える会の活動に参加させていただき、ボスニア、クロアチアまで行き、大変有意義な経験をさせていただきました。吉澤俊和と申します。私は小さいころから世界の民族問題に興味を抱いており、中学や高校の授業や、民族問題を扱った書籍等を通して知識を広げてはきましたが、実際にその現場に触れるという経験をできた今回の旅は、自分の人生を広げる貴重なものとなると確信しています。

    本題に入る前に私が授業や文献を通じて一番印象に残っている言葉を紹介したいと思います。それはユーゴスラビアが「1つの国家、2つの文字、3つの宗教、4つの言語、5つの民族、6つの共和国、7つの国境」で出来ている国であるという言葉でした。日本という単一民族国家に住む人間として、これだけは容易に想像できるものではなく、問題の複雑さを表す言葉であるといえます。

    今回の旅で、一番印象に残る町はどこかと聞かれれば、サラエヴォの後に訪問したデルベンタと答えるでしょう。そもそもボスニア・ヘルツェゴビナという国家はボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とセルビア人共和国という二つの連邦内共和国に分かれており、このデルベンタはセルビア人共和国に属した町らしく、セルビア人が住んでいるそうです。つまり、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側のサラエヴォとは違う言葉を使い、違う民族が住んでいるということになります。

    サラエヴォでさえ簡単に行くことが出来る場所ではないのに、さらにセルビア人共和国側の地方都市に行くことができるなんて、私の冒険心がますます燃えてきました。そこでは、通訳の方の家に偶然にも泊まることができたのですが、朝の学校、通りの雰囲気、ちょっとした店の様子のどれをみても戦争の傷跡をうかがい知れるものはなく、他のヨーロッパやアメリカの田舎町と変わらないものでした。確かにグラウンドのフェンスが銃弾の影響で穴だらけだったり、少し産業が寂れているなという様子は見られたりしても、アフリカ難民のような生きるか死ぬかという貧しさはそこにはなく、力強く復興し明るく生きている様子を見ることができました。出勤しようとしている女性はオシャレな格好をしていたし、登校中の高校生たちは欧米のそれと何もかわらない様子でした。

    それを見て、今回の旅で一番こころに残った言葉を思い出しました。「私たちは民族を超えてみんな仲良く生きていこうとしています。あんな戦争があったからって簡単に、愚かな民族であると思わないでください。」なるほど。この人たちは被害者なんだな。こころの中で、他の民族のことを憎く思うことはあっても、愚かな戦争なんてやっちゃいけない。多民族であるからこそ、その違いを認めあえる一般市民はきっとあのころもいたはずなのに、国境線の引き方、大統領の決め方、そんな数的な問題のせいで今も望まない戦争で苦しむ市民は世界にいるんだなと感じました。

    私はアメリカ留学中にボスニア人たちだけのチームとサッカーの試合で対戦中に、ボスニア人に日本人のチームメートの足を折られ、謝るどころか、嘘をつくなと言われた経験があります。非常に悲しい出来事でした。正直そのとき「だからおまえたちは戦争するんだよ」と思っていました。その一件のせいで、私のボスニアに対する偏見が生まれてしまいます。今回私がボスニアを訪問しなかったら決して解消されることのない偏見がうまれてしまいます。反対に、ドイツで地下鉄の乗り方がわからなかったとき、4年前も今回も、私が何もきかずともこんなさえないアジア人にドイツ人は切符の買い方を教えてくれました。ドイツ人はなんて優しいのだ。ここにもドイツ人を一般化した偏見がうまれてしまいます(この場合はいい偏見ですが)。

    つまり、こうしてそんな小さな偏見からあの国はいいがあの国はだめだという差別が生まれ、そしてそれが戦争につながるのだと感じました。今回の旅行だけでも、そういった偏見を生みかねない出来事は多くありました。二度とあんな戦争をしないために、そして日本人も同じ過ちをくりかえさないために、私は海外へ多く行き、〜人は〜であるといった偏見を生み出さないように多くの経験を積みたいと強く感じました。そして、ドイツ人が私に対してしてくれたように、小さな優しい行動をとることで日本に対して悪い偏見を持たない人を一人でも増やしたいと思っています。最後に、そう考えるに至らしめてくれたこの旅と、この旅に私を参加させてくださった方々に感謝いたします。
                           吉澤 俊和

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